July 16, 2010
従来つめた貝、又ヒトデによる貝類に及ぼす影響、特にあさり貝捕食被害は伊勢湾でもしばしば確認されております。
最近、宮城県松島湾では、中国と朝鮮半島を分布域としているあさり貝の天敵であるサキグロタマツメタ貝が異常発生し、あさり漁場に大被害を与えてます。
こうした中、一部の漁協では、死活問題として浜止などを実施、人海戦術で駆除しています。もともとあさり稚貝の購入に苦慮する各浜の無差別購入が、サキグロの混入した稚貝を購入したのが大発生の原因となりました。稚貝の購入は、信頼のおける業者を選び、稚貝の品質を十分選別する事が重要です。
5月3日中京テレビ22時50分(潮干狩中止…消えたあさり漁場の追跡)と題し、宮城県漁連が放映されました。
愛知県で購入したあさり稚貝の中にサキグロの稚貝が混っていたものと思われ、春頃放流した漁場に、サキグロが爆発的発生してあさりを食い荒し、全滅状態になっています。潮干狩のお客にジュースなど出して、駆除に協力をしてもらっています。
今後、稚貝購入には産地を十分確かめ、サキグロの混入を厳重に検査するよう指導しています。5月6日、三重県漁連指導課に情報を提供し、詳しい状況調査を依頼しました結果、県水試はサキグロは湾内でも見られる、又宮城漁連も消極的な報告に終りました。
中京テレビに引続き、5月6日NHK13時15分(日本列島グルリ)宮城県松島湾万石湾で、サキグロタマツメタ貝異常発生であさり漁場全滅、損害莫大。浜を無料解放し、入漁者の協力を得てすでに900kを駆除、観光客に干魚などプレゼントしています。
伊勢湾にもサキグロの脅威が忍びよっています。度重なる放映を重視して、宮城県水産研究開発センターと、千葉県水産開発研究センターに(資料)シーメールを照会しました。
漁業者が経済性を優先させ、サキグロの混入する種苗を無秩序購入する事は大変危険な事で、我が国の天然資源の生産を著しく低下させる場合があると指摘しています。
恵まれた豊かな漁場をサキグロタマツメタ貝の脅威から守るため、一個の貝も持ち帰るよう心がけて戴きたい。
平成16年5月10日